こんにちは、ゆめの家の宝です。
魂が出かけていてブログを更新出来ずにいました。
帰ってきました。
おもしろいな~と思うお話を転記しますね。
お昼の一休みにどうぞ
◆ 絶対に、カバンを盗まれない方法。
これは、友人の精神科医の話です。
彼は喫茶店に行くことが多かったのですが。
あるとき、カバンを起きっぱなしにしたまま、トイレに行ったそうです。
そして帰ってきたとき。
彼のカバンは、すでになかったそうです。
店員さんに聞いたところ、「他の人が持っていってしまった」と。
店員さん、止めてよ、と思ったそうですが、とにかく「置き引き」にあってし
まったわけです。
これは彼にとって(誰にとってもそうだと思いますが)ショックだったようで
す。
そしてしばらくの後。
彼は「絶対に盗まれない方法」を開発したそうです。
何か、分かりますでしょうか。
答えは結構、予想外でした。
『1000円をカバンの上に置いておく』こと
なのだそうです。
………。
最初に聞いた瞬間、意味が分かりませんでした。
彼によると、目的は二つあるそうです。
「お金を上に置いておくことで、他のお客さんの注意を引き、泥棒が盗みにく
い環境を作る」のが一つ。
また泥棒が盗む場合も、たとえカバンを盗んでも、その中に金目のモノが入っ
ているとは限りません。
カバンを売るにしても、そこまで大きな額になることはないでしょう。
またカバンを盗む方が、モノが大きいため、捕まるリスク、見つかるリスクも
高くなります。
そのため、「盗みやすい1000円だけ盗っていく」わけだそうです。
まぁ、彼の作戦、心理学的に意味がないとは言い切れません。
人は「価値が高いが、リスクや面倒さの大きいモノ」と、「価値は低いが、リ
スクや面倒さの小さいモノ」を前にした場合、たいていが後者を選ぶと言われ
ています。
たとえば、
A「90%の確率で1000円、10%の確率で0円」
B「50%の確率で10000円、50%の確率で-8000円(8000円取られる)」
というギャンブルがあったら、あなたはどちらをプレイしますでしょうか?
おそらく、Aではないでしょうか。
これ、期待値で言うとBの方が高いのですが、それでもやはり、「リスク」を
避けたがるのが人間なのです。
もちろん彼からしても、カバンを盗まれるよりは、1000円を盗まれた方がずっ
とマシなわけで。
彼によると、「そういう意味でも一石二鳥」なのだそうです。
………。
一石二鳥。
なんだか言葉の意味が間違って使われてる気がしました。
どちらかと言うと、鳥サイドはお前じゃないのか、と。
しかし、とにかく自信満々にそう言う彼に、僕は否定することはできませんで
した。
というかそんな作戦以前に、カバンそのものをトイレまで持っていく、という
発想は浮かばないのが問題だと思いました。
そう伝えると、「でも、カバンは重いし、面倒だから」と。
1000円札を置くのもそれなりに面倒だと思いましたが、とにかく作戦を思いつ
いた彼の顔を見ていると、それ以上言うことはできませんでした。
そして、しばらくのあと。
彼に聞くと、確かにカバンを盗まれることはなくなったそうです。
かわりに、1000円を持っていかれることは何度かあったとか。
それを見るたびに、彼は、
「あぁ、1000円で良かった」
と思ったそうです。
うん。
本人が良かったと思っているんだから、良かったんだろうと思います。
しかし。
繰り返しているうちに、彼は
その幸せ(?)も、長くは続きませんでした。
あるとき、カバンも1000円もなかったそうです。
ダブル盗難。
それを目にして、彼はこう思ったそうです。
「その手があったか!」と。
いや、あるよね、と思いました。
ていうか、思いつかなかったのが逆に奇跡だよね、と思いました。
しかし彼の脳内で、何だかものすごい高次元な戦いが行われているっぽくて、
思わずその言葉を飲み込みました。
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◆ 今回のまとめ。
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○ 人は、大きなギャンブルより、小さく確実な儲けを好む。
○ でもどっちも望んじゃう人もいるので気をつけて。
○ そもそも貴重品は肌身離さないでください。
というわけで、いかがでしたでしょうか。
結局、彼に、
「その1000円で、チェーンとかカギとか買って、テーブルにつけておけば?」
と言ったところ、
「その手があったか!」
と言われました。
その手、ありすぎ。
心理よりも結局は物理の方が強いっぽいことをあらためて痛感しつつ、ここま
で読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)