秘密のハーブ
お元気様です。
ソウルナビゲーター宝喜美子です。
ご一緒しましょう。
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気づきのヒント
秘密のハーブ(心のチキンスープより抜粋)
キッチンを通るたび、
ベンには気になってしかたないものがあった。
妻のマーサが調味料棚に置いている
小さな金属製の容器である。
マーサに「絶対にさわらないでね」と
あれほど口うるさく言われていなければ、
ベンは気にもとめなかっただろう。
だが彼女によれば、母から譲り受けた
「秘密のハーブ」はもう二度と手に入らないから、
貴重な中身をこぼされてしまっては困るのだという。
この調味料入れは、
とても年季が入っているということ以外、
何の特徴もなかった。
長年使い込まれたため、
赤や金色の花模様が
ところどころ消えかかっている。
マーサの母親も、祖母も、
この調味料入れに入った
「秘密のハーブ」を使ってきたのだ。
どんな料理を作るときも、
彼女はその「秘密のハーブ」を材料にふりかけた。
調味料入れの中身が何であれ、
その効き目は確かなものだった。
マーサはそれをどうにか30年以上使い続け、
いつもおいしい料理を作ってきたのである。
一方、その中身をのぞいてみたい、
というベンの思いは日増しに強くなってきた。
一度でいいからちょっとだけ……。
そんなある日、
マーサの具合が悪くなり、
1日だけ入院することになった。
マーサが外泊するのは、
結婚以来初めてのことである。
冷蔵庫に何があるか確かめよう
とキッチンに入ると、
調味料棚に並んだ例の
容器が目に飛び込んできた。
磁石に引かれるように、
そこに目が吸い寄せられた。
あわてて目をそらすものの、
また視線が戻ってしまう。
好奇心がうずいた。
中にはどんなものが入っているのだろう?
「秘密のハーブ」の正体とは?
あとどれくらい残っているのだろう?
どうしてさわってはいけないのか?
ベンは調味料入れを
にらみつつ考え続けた。
自分の心に問いかけた。
見るべきか、見るべきでないか?
彼はそしてついに、
こらえきれなくなり調味料棚に行くと
例の容器を手に取った。
中身をこぼさないよう、
注意深くそのふたを取った。
そして、大きく目を見開いた。
なんと中は空っぽで
ただ小さく折り畳んだ
紙切れが底に張りついていただけだった。
短い走り書きは、
一目でマーサの母親の筆跡とわかった。
それにはこう書かれていた。
マーサ、
あなたが作るすべてのお料理に愛をふりかけなさい。
ベンは、
こみあげてくるものをぐっと飲み込んだ。
そして、
その紙切れを容器に戻すと、
静かに引き返した。
あなたへ たくさん たくさん
神様からの祝福がありますように祈ります。
そしてあなたが日々ご機嫌よくすごせますように・・・。
ごきげんよう☆
ソウルナビゲーター 宝喜美子 拝
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